米旅客機衝突事故発生の空港 ヘリとのニアミス、以前から複数の報告

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墜落現場付近で行われる捜索救助活動=30日早朝、米バージニア州アーリントン/Carolyn Kaster/AP

墜落現場付近で行われる捜索救助活動=30日早朝、米バージニア州アーリントン/Carolyn Kaster/AP

(CNN) 米首都ワシントン近郊のレーガン・ナショナル空港付近で米陸軍ヘリ「ブラックホーク」とアメリカン航空の旅客機が衝突事故を起こす前の3年間に、少なくとも2人のパイロットが同空港への着陸時にヘリとニアミスがあったと報告していたことが分かった。CNNが連邦事故報告書を調査し、明らかになった。

パイロットの報告によると、二つの事案とも、旅客機は着陸時にヘリとの衝突を避けるための回避行動を取ることを余儀なくされた。航空管制官が報告した三つ目の事案は、2機の軍用ヘリが接近しすぎた結果、「空中衝突」したというものだった。

こうした恐ろしい過去の事案は、29日夜にポトマック川上空で起きた惨事により、さらに注目を集めることになるだろう。今回の事故では、旅客機の乗員乗客64人とヘリで訓練飛行中だった兵士3人が死亡したと推定されている。

ポトマック川周辺で捜索と遺体の回収作業が続く中、当局は上空で何が起こったのかを正確に解明しようとしている。

管制官筋はCNNに、事故当時、レーガン空港では1人の管制官がヘリと航空機の管制業務を兼務していたと語った。この人物によれば、通常は2人で対応するが、1人が兼務するのは珍しいことではないという。

一方で、連邦航空局(FAA)の予備報告書は、この管制塔の人員配置について「時間帯や交通量を考えると普通ではない」と指摘しているとニューヨーク・タイムズ紙が30日に報じた。これは、2022年のニアミスに関する報告書で強調された問題と一致している。報告書の中で管制官は、管制塔が人員不足だったと証言している。

航空専門家によると、ワシントンのこの地域は特に複雑な空域だ。01年9月11日に発生した米同時多発テロを受けて施行された飛行制限により、政府庁舎の近くを飛行することが禁じられた。そのため、軍や政府のヘリが定期的にこの地域を横切り、レーガン空港の滑走路は国内で最も混雑し、離発着が絶え間なく繰り返されている。

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