米政権の「政府効率化」 納税者データへのアクセス試み、人員削減めぐり公聴会も

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ホワイトハウスの執務室でトランプ大統領の発言に耳を傾けるイーロン・マスク氏/Kevin Lamarque/Reuters

ホワイトハウスの執務室でトランプ大統領の発言に耳を傾けるイーロン・マスク氏/Kevin Lamarque/Reuters

(CNN) トランプ米政権で実業家のイーロン・マスク氏率いる「政府効率化省(DOGE)」が進める連邦政府機関での人員削減の取り組みを受けて、数千人の連邦政府職員が早期退職の申し出を受け入れたか、その職から解雇された。

DOGEによる迅速かつ突然の動きは一部の政府職員に衝撃を与えており、弁護士や裁判所は人員削減の合法性を理解しようと奔走している。

DOGEの人員削減をめぐり17日に公聴会が開催されたが、連邦判事からは人員削減の動きを阻止しようとするための証拠の提示が不十分だとの懸念が示された。

一方、DOGEは、米内国歳入庁(IRS)が保有する非常に機微に触れる納税者のデータへのアクセスを試みている。情報筋が明らかにした。IRSは、数百万人の米国人の納税申告書や社会保障番号、金融機関に関連した情報などを保管している。IRSはDOGEにとって政府効率化をめぐり最新の標的となっている。

連邦地裁のチュトカン判事は17日、DOGEが複数の政府機関のデータシステムにアクセスしたり、連邦職員を解雇したりすることを一時的に差し止めなければ、州が差し迫った損害を被ることになることを示す民主党の州司法長官からの証拠について、不十分だとの懸念を示した。チュトカン判事は、州が、大量解雇やデータアクセスに関する最近の報道に部分的に依拠していることは、一時差し止め命令の要請を強化することにはほとんど役立たないと繰り返し指摘した。

マスク氏が率いる宇宙企業スペースXの技術者が17日、バージニア州にある連邦航空局(FAA)の航空交通管制の指令センターを訪問する。FAAは以前は効率化の対象外と考えられていたが、トランプ政権はFAAの刷新に目を向けている。議会幹部は、マスク氏がFAAのいかなる改革の取り組みにも関与しないよう求めている。FAAが、スペースXの監督や、民間での衛星の打ち上げをめぐって許認可を与える役割を担っていることから利益相反の可能性があるとしている。

トランプ大統領は、最高裁に対し、政府監視機関トップの解任を認めるよう申し立てを行った。トランプ氏が最高裁に申し立てを行ったのは第2次政権になって初めて。今回の訴えは最終的に、議会がホワイトハウスの恣意(しい)的な行動から保護される独立機関を創設できるのか、あるいは、大統領は潜在的な批判者とみなされた人物を解雇できるのかを明らかにする可能性がある。

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