チャットに流れた軍事計画、機密扱いかどうかはヘグセス氏が判断 米情報トップら
(CNN) トランプ米政権高官が軍事情報をやり取りするグループチャットに誤って記者を追加したとされる問題で、安全保障に携わる政権最高位の当局者らは、チャットに送られた情報が機密扱いのものかどうかの判断責任はヘグセス国防長官にあるとの見方を示唆した。
米誌アトランティックの報道によると、当該のやり取りは民間の暗号化チャットアプリを通じて行われた。中東イエメンの反政府組織フーシへの攻撃について、詳しい作戦計画を協議する内容だったとされる。
25日に行われた連邦議会上院情報委員会では、激怒した民主党議員から中央情報局(CIA)のラトクリフ長官、ギャバード国家情報長官に対して鋭い質問が飛んだ。両氏は当該のチャットに機密情報が含まれていたとの見解を再三にわたって否定した。
しかし実施予定とされたフーシへの軍事作戦の詳細が機密情報に当たるのかどうか迫られると、両氏共にそれを判断する権限はヘグセス氏にあると回答した。報道によれば、機微な作戦の詳細をグループチャットに送信したのはヘグセス氏とみられている。
その上でラトクリフ氏は、「メディアの報道から把握している限り、国防長官は当該の情報について、機密情報ではなかったと発言している」と述べた。
そのような情報は機密扱いとするべきかどうか問われたギャバード氏は、「その質問に関しては、国防長官と国家安全保障会議(NSC)の判断に従う」と答えた。
報道によれば、当該チャットでのヘグセス氏のテキストには、「空爆の標的に関する情報、米軍が配備予定の兵器、攻撃の手順」が含まれていた。
ここまで現職と退職者を含む国防当局者の多くからは、攻撃の時期や標的に絡むあらゆる議論は常に機密情報になると指摘する声が上がっている。そのような計画が事前に明るみになれば、米軍兵士の命に潜在的な危険が及ぶからだ。
当該のやり取りに用いられた民間の暗号化チャットアプリ「シグナル」について、当局は機密情報のための使用を承認していない。
トランプ大統領は25日、記者団に対し、当該のチャットの内容に機密情報はなかったとの認識を示した。しかし誰からそのことを告げられたのかは明言しなかった。
最終的に、議論はヘグセス氏の機密情報に関する権限をどう解釈するかにかかってくるかもしれない。国防長官として、同氏にはそうした情報の機密解除を行う権限があるが、ラトクリフ氏は25日、その権限の有無について関知していないと述べた。
ギャバード氏もラトクリフ氏もヘグセス氏を直接批判することはなく、問題の責任が同氏にあると示唆するはっきりとした声明も出していない。しかし一部の共和党議員からは、高度な機密情報を流したとしてヘグセス氏を明確に指弾する声が上がっている。