北京の洪水禍、死者は当初発表の倍以上の77人 公表遅れる
香港(CNN) 今月21日から北京を襲った豪雨、洪水被害で同市当局は28日までに、犠牲者は77人に激増したと公式発表した。新華社通信が伝えた。
22日に発表した死者37人から倍以上となった。犠牲者が激増した新たな報告が遅れたことについては、遺体の収容作業や身元確認作業に手間取ったことを理由に挙げた。
北京の洪水対策本部の報道担当者によると、死者66人の身元がこれまで判明した。うち5人は救助作業に携わっている際に死亡した。行方不明者の捜索活動は縮小の方向にあるため、死者がさらに激増する可能性は少ないとしている。
北京を襲った豪雨としては過去60年で最悪規模で、南西部の房山区の被害が特にひどく、38人の死亡が確認された。同区の行政責任者は25日、洪水の被災者80万人に謝罪を表明した。責任者は同時に、今回の災害で下水道を含む都市のインフラ施設の不備が明瞭になったとし改善が必要と述べた。
新華社によると、今回の洪水で房山区にある農地5000ヘクタールが冠水被害などを受け、約17万以上の家畜類が死んだ。行政当局の声明によると、経済的な損害額は61億人民元(約750億円)となっている。
被災した民家は6万6000棟で、8000棟以上が全壊した。約50カ所で橋が壊れ、道路は長さ約750キロにわたって被害を受けた。
今回の洪水禍では、中国版ツイッターなどで当局の対策不足や下水道設備への批判が相次いだ。