今度は就任したばかりの首相が離反、反体制派に参加か シリア
(CNN) シリア反体制派によると、リヤド・ヒジャブ首相が6日、政権から離反し、反体制派に参加する意向を示した。一方で同国の国営テレビは、アサド大統領が同日、首相を解任したと伝えた。内戦状態に陥っているシリアでは、政権幹部の離反が増えつつある。
ヒジャブ氏は中東の衛星テレビ局アルジャジーラで反体制派幹部を通し、「殺人者でありテロリストでもある政権から離反し、一兵卒として革命に参加する」との声明を発表した。
同幹部によると、ヒジャブ氏は反体制派武装組織「自由シリア軍」の助けを得て出国した。離反は2カ月前から計画されていたという。同幹部はCNNに、ヒジャブ氏が「近隣国」にいてまもなくカタールへ向かうと述べた。
一方、反体制派の中核組織「シリア国民評議会(SNC)」の報道担当者は、同氏が夜のうちに出国し、家族とともにヨルダンに入ったと発表した。ヨルダン政府の報道官は首相の入国を否定しているが、別の政府高官はCNNに、首相が家族とともに入国したと語った。
ヒジャブ氏は6月に首相に就任したばかり。専門家らによれば大きな権限は握っていなかったものの、離反は象徴的な意味を持ち、政権に打撃を与えるとみられる。
アサド政権はイスラム教の少数派、アラウィ派が中心となっているが、ヒジャブ氏は反体制派の大半を占めるスンニ派教徒。7月には同じスンニ派の大物として、駐イラク大使を務めていたナワフ・ファレス氏、精鋭部隊である共和国防衛隊の司令官だったマナフ・タレス氏が相次いで離反した。
シリアでは6日も、北部の大都市アレッポで激しい銃撃や砲撃が報告されるなど、各地で暴力が続いた。反体制派の「地域調整委員会(LCC)」によると、この日は全土で少なくとも161人の死者が出た。アレッポでは戦闘で54人が死亡し、20人が遺体で発見された。首都ダマスカスの国営テレビのビル内で爆発があったとの情報もある。