戦火の街アレッポを取材 空爆現場から1歳児救出
小さな手が見えた。続いて脚が現れ、ぐったりとした体が現れた。女児の遺体ががれきの山から運び出されると、だれかが素早くその顔に毛布をかぶせた。間もなく、同室にいたとみられる父親の遺体も発見された。
「アサドが私たちの命を奪う」と叫ぶ女性。遺体で見つかった11人のうち9人が子どもだった。自由シリア軍が病院へ搬送する。子どもたちの遺体は毛布に包まれ、トラックの荷台に運ばれた。年齢は4歳から11歳。オマル、モハメド、ファトマ――打ちひしがれた父親は、全員の名前を言うことができない。民家には訪問中だった親族を含め、2家族が集まっていたという。
がれきの中から唯一の生存者が救出された。1歳になったばかりの男児だ。名前はフセイン。授乳中だった母親は死亡したが、その体に守られて生きていた。
男たちが男児を病院へ運ぶ。ほこりだらけの服を切り裂いて脱がせ、体をきれいにふいていく。この子が育つシリアは、生まれ変わった平和な国でありますように。彼らにできるのは、そう祈ることだけだった。