タリバーンに銃撃されたパキスタンの14歳少女、英国で治療へ
イスラマバード(CNN) パキスタンで女性の教育を受ける権利を主張してイスラム武装勢力タリバーンに銃撃され、重体となっている14歳の少女が15日、英国で治療を受けるためにパキスタンを出国した。
ブログでタリバーンを批判していたマララ・ユスフザイさんは9日、学校から帰宅途中に銃撃され、パキスタンの病院で弾丸の摘出手術を受けた。ここ数日は人工呼吸器で生命を維持している。事件後に同国の武装勢力「パキスタン・タリバーン運動」が犯行を認め、もしマララさんが一命を取り留めたとしても、次は必ず殺すと予告した。
マララさんは15日、英バーミンガムの病院に空路搬送され、神経外科の専門医が治療に当たる。しかし頭蓋骨修復手術などの治療が必要とされ、回復までには何カ月もかかる見通しだという。
パキスタン当局は銃撃事件の捜査を進めており、マリク内相は15日、「パキスタン・タリバーン運動」の広報担当者に100万ドルの賞金をかけると発表した。
事件をきっかけに、マララさんはタリバーン支配に抵抗する若者の象徴的存在となった。マララさんの回復を祈り、女子教育の向上を求める声は世界中に広がっている。
パキスタン国民の大半はタリバーンを殺人もいとわないイデオロギーの信奉者とみなしており、マララさんの勇気に多くの人たちが共鳴して各地で支援集会が開かれている。14日には最大都市カラチや首都イスラマバードで大規模な集会が開かれ、参加者がタリバーンやテロリストの行為に対して非難の声を上げた。中には「私がマララです」と書いたTシャツを着て、マララさんとの連帯を示す少女もいた。