レバノン首都で爆破テロ、情報機関トップら死亡
ベイルート(CNN) レバノンの首都ベイルートで19日、大規模な爆破テロが発生し、標的にされた反シリアで知られるレバノンの国内治安部隊(ISF)情報局トップ、ハッサン准将と少なくとも2人が死亡した。地元メディアが伝えた。
19日午後のラッシュアワーに、キリスト教徒が多く住む東ベイルートのアシュラフィエで自動車爆弾が爆発した。現場は、店や教会が立ち並ぶ人通りの多い場所で、普段は治安部隊が常駐し、ベイルートでも「最も安全な場所」の1つだという。
正確な被害者数は明らかになっていない。地元メディアは当初、死亡者8人、負傷者90人と報じたが、その後、少なくとも3人死亡、110人が負傷と訂正した。
この爆破テロを受け、レバノンの市民の間ではシリアの内戦がレバノンにまで広がり始めているとの不安が高まっている。爆発の数時間後、レバノン各地で暴動が報告された。北部トリポリでは銃撃戦が発生。またベイルートでもテロに怒った市民が道路を封鎖し、発砲したという。
ハッサン准将は、スンニ派の有力者で、シリアのアサド政権に反対する政治運動と連携していた。またハッサン氏は、2人のシリア当局者と組んでレバノン国内で攻撃を企てたとされるレバノンの政治家に対する捜査も指揮していた。
人権擁護団体や各国政府は、今回の爆破テロを非難するとともに、正義の実現と冷静な対処を求めている。国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長はレバノン国民に対し「この凶悪なテロの挑発に乗ることなく、国の結束に向けた努力を続けて欲しい」と呼び掛けた。