地中海でまた船が沈没、10人死亡 欧州目指すアフリカ難民か
(CNN) 北アフリカのリビアとイタリア南部ランペドゥーサ島を隔てる地中海の海域で4日、難民を乗せた船が沈没し、少なくとも10人が死亡した。イタリアのANSA通信が伝えた。
ANSA通信によれば、沈没船に乗っていたのは北アフリカからの難民とみられ、男性62人と女性8人は救助された。女性の中には妊婦も1人いたという。イタリアの海軍と沿岸警備隊が周辺海域の捜索を続けているが、行方不明者の数は分かっていない。
この海域では2カ月ほど前にもチュニジアからの難民100人あまりを乗せた船が難破し、イタリアと北大西洋条約機構(NATO)が救助活動を行っていた。
イタリアのランペドゥーサ島はアフリカ大陸に近いことから、欧州連合(EU)諸国への入国を目指す難民が大量に押し寄せている。
しかし難民を乗せた船が沈没などの事故に見舞われるケースも多く、国際人権団体アムネスティ・インターナショナルによれば、地中海を横断しようとして死亡した人は昨年だけで少なくとも1500人に上る。同団体は「不法移民を阻止したいと願う欧州の一部の国のために、安全かつ迅速な海上救助活動がないがしろにされてきた」と指摘している。