笹子トンネル崩落事故、ボルト欠落が原因か
(CNN) 山梨県の中央自動車道で起きた笹子(ささご)トンネルの崩落事故で、トンネルを管理する中日本高速道路は3日に記者会見し、コンクリート板をトンネルの天井に固定するためのアンカーボルトが抜け落ちていた箇所があったことを明らかにした。
会見で同社の吉川良一専務は、ボルトまたはコンクリート板の老朽化が事故につながった可能性があると説明。抜け落ちていたボルトの本数や、緩んだ原因については言及しなかった。トンネルの定期点検は実施していたが、目視のみで打音点検は行っていなかったという。
報道によると、同社幹部は現場で記者団に対し、トンネルが開通した1970年代後半以来、ボルトは交換したことがなかったと話した。しかし同社広報はCNNに対し、この発言は同社の公式見解ではなく、事実関係は確認できないとしている。
国土交通省は、同じ構造の天井を持つ国内49カ所のトンネルに対して点検を指示したことを明らかにした。
この事故では2日午前8時ごろ、笹子トンネルの天井が崩れ落ち、通行中の車両が下敷きになった。警察によると、ワゴン車の中から5人の遺体が収容されたほか、乗用車の中から3人、トラックから1人が遺体で見つかった。
目撃者は、トンネル内に煙が充満し、巨大なコンクリート片が車の上に崩れ落ちてきたと話している。
笹子トンネルはがれきの撤去作業と点検のため通行止めとなり、再開の見通しは立っていない。