北朝鮮によるロケット発射 この時期に強行した理由とは

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北朝鮮はこの時期にロケットを打ち上げることにより、周辺諸国へ合図を送っているのだ。政権交代後にありがちな政権内の混乱の中で、北朝鮮の存在を忘れるなという合図である。

同時に、各国の新政権の決断力を試し、今後それぞれの政権が個別に、あるいは連携して、北朝鮮にどのような対応を示してくるのか、その手掛かりをつかむこともできる。

韓国大統領選ではどちらの候補者が勝っても、李明博(イミョンバク)大統領の相互主義的な対北政策から離れ、関与政策へかじを切る可能性が高い。日本は、世論調査が示すように自民党が勝利した場合、北朝鮮への強硬姿勢を強めることが予想される。北朝鮮はまた、新体制の中国と米国との関係の中で北朝鮮がどのように位置付けられるかという点にも注目しているはずだ。

北朝鮮内部に目を向けると、この時期に打ち上げを成功させることには、金正日(キムジョンイル)総書記の一周忌を記念する意味がある。今年4月、金日成(キムイルソン)主席の生誕100周年に合わせてロケットを打ち上げたのと同じことだ。

国民に技術力を誇示することで、体制が掲げる「強盛、繁栄」のスローガンを正当化し、金正恩第1書記の権威を高めるのが狙いだ。

本記事はオーストラリア・ラトローブ大学講師のベンジャミン・ハビブ氏による特別寄稿です。

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