英仏「シリア反体制派に武器供給を」 安保理はレバノン波及に懸念
(CNN) 内戦が続くシリア情勢を巡り、フランスと英国がシリア反体制派への武器供給の可能性に言及している。一方、国連安全保障理事会は14日、シリア内戦が隣国レバノンに及ぼす影響について深刻な懸念を表明した。
フランスのファビウス外相は日刊紙リベラシオンへの寄稿で、「(反体制派の)シリア評議会のために武器禁輸を解除するほかに選択肢はない」と強調。「さもなければ虐殺は続き、過激組織が勢力を強めてシリアは崩壊し、同国と地域にとって壊滅的な結果をもたらすだろう」と警告した。
これに先立ち、ヘイグ英外相も、アサド政権打倒を目指すシリア反体制派に武器を供給する意向をほのめかしていた。キャメロン英首相も12日の議会で「我々のやり方でやらざるを得ないかもしれない」と述べ、反体制派の支援に関して英国独自の外交政策を取る可能性があることを示唆した。
欧州連合(EU)は2月にシリアに対する武器禁輸を3カ月延長して5月までとする一方で、民間人を守るための支援を認めている。
一方、国連安全保障理事会は14日、シリア情勢に関連して、「国境をはさんだ交戦によってレバノンに死傷者が出ていること、およびレバノンとシリアの国境間の侵入、拉致、武器取引が相次いでいることに深刻な懸念」を示すとともに、「シリア危機がレバノンの安定に及ぼす影響に対し、深刻な懸念を表明する」とした。