激しさ増す北朝鮮の挑発 正恩氏は新たな脅威か、内部で混乱か
また、北朝鮮は昔から、新しい韓国大統領の北朝鮮への姿勢を試すために威嚇や挑発を用いており、それへの反応を見て対韓政策を決めている。今のところ韓国の新政権は、威嚇には威嚇で対応し、北からの核の脅威の可能性に対しても屈しないとの態度である。
最近では韓国メディアが、故金日成(キムイルソン)主席と故金正日(キムジョンイル)総書記の銅像を破壊するという軍事作戦計画について報じてもいる。
だが、一昨年12月以降の金正恩体制の下での対外的威嚇は、その強烈さと頻度の両面で不安を覚えさせるものだ。
正恩氏に対しては、最初は強く出て徐々に威嚇のトーンを下げていくという南北朝鮮間の従来のやり方を良く理解しているのどうかといった点で疑念が生じている。また、父の正日氏よりも大きなリスクを取るのではないか、あるいは、本当に衝突につながる計算違いをする可能性が高いのではないかといった点も懸念されている。
政権内部の混乱、あるいは体制固めが必要なために、正恩氏が、よりぎりぎりの瀬戸際政策の推進を迫られているのかについても分かってはいない。