クロアチアがEUに加盟、28カ国目 汚職など課題も
(CNN) 旧ユーゴスラビアのクロアチアは1日、欧州連合(EU)に加盟した。旧ユーゴ紛争後の混乱から10年に及ぶ交渉を経て加盟を実現させた。
首都ザグレブは歓喜に沸いた。午前0時を迎えると花火が打ち上げられ、人々はベートーベンの「歓喜の歌」を合唱。数千人がシャンパングラスを傾けた。
ファンロンパイEU大統領は「我々の連合にようこそ」と祝辞を贈った。
人口440万人のクロアチアは、28番目のEU加盟国となる。旧ユーゴ諸国では隣国スロベニアが2004年にEU入りを果たしていた。
祝福ムードに包まれるクロアチアだが、経済や政治上の課題は多い。2008年に始まった世界的な金融危機の影響は同国経済にも影響を及ぼし、昨年の失業率は17.3%とギリシャやスペインに次ぐ高さとなった。
政治面では90年代の独立以降、権力者による汚職が問題となってきた。汚職を監視する国際団体「トランスペアレンシー・インターナショナル」によると、同国の汚職度はルワンダやヨルダン、キューバを上回る。
だがミラノビッチ現政権は、EUの監視の下、政治腐敗の一掃に向けた取り組みを進めている。昨年11月にはサナデル元首相が外国企業から賄賂を受け取っていたとして、禁錮10年の実刑判決を受けていた。