窮状続くシリア難民、レバノン人の反感も増大
ワールドビジョンでは、シリア難民とレバノン社会の両方に対する支援にもっと力を入れる必要があると呼びかける。
レバノン人の中には転居を余儀なくされた一家もいる。
ある男性は、シリア人の一家が家賃を2倍払うと申し出たため、自分たちは家主に追い出されたと話した。9歳の息子は「シリア人が僕たちの世界を奪った。僕たちには何も残っていない」と怒りをぶつける。
一方、父親は「シリア人を敵視はしない。難民は助けなければならない。ただ、政府には我々の面倒も見てほしい」と訴え、10代の長男を指して「息子まで働きに出なければならなくなった。ひどいことだ」と嘆いた。
長男に父親の言葉が聞こえた様子はなく、ただ疲れた様子で腰を下ろし、じっと前を見据えていた。その姿には、シリアの子どもたちと同じように、絶望感が漂っていた。