アルジェリア人質事件の首謀者、活動再開か
(CNN) アルジェリアで今年1月に邦人を含む30人以上が死亡した天然ガスプラント襲撃事件で、事件後逃亡していた首謀者と見られる男が生存していることが12日までに分かった。事件の犯行声明を出したイスラム過激派組織「イスラム聖戦士血盟団」が指導者であるモフタール・ベルモフタール司令官が登場するビデオを公開した。
ベルモフタール司令官はアルジェリア出身。近年はマリ北部を拠点に、誘拐や密輸のほかテロ活動に手を染めていた。たばこの密輸を行っていたことから「ミスター・マールボロ」の異名もある。年齢は40歳前後とみられる。
ベルモフタール司令官は襲撃事件後の3月、マリに軍事介入したフランス軍によって負傷または殺害されたとも言われていた。だが、このたび公開された51分間のビデオに映った姿からは、けがの影響はうかがえない。
ビデオには、マリの隣国ニジェールで5月に起きたウラン鉱山と軍施設の爆破テロ事件に向けた準備をしている男たちの様子も収録されている。
ベルモフタール司令官は「兄弟たちよ、決意と力を振り絞ってやつらの拠点を打ち倒し、その軍隊を傷つけるよう努力せよ」と激励。新人にロケット弾の使い方を教えているような場面もある。
CNNの取材によれば、ベルモフタール司令官はカダフィ政権崩壊後にリビアを訪れ、現地のイスラム過激派組織との関係を樹立。1年前のリビア・ベンガジの米領事館襲撃事件でも何らかの役割を果たした可能性があるという。
今回のビデオにはベルモフタール司令官の副官が、欧米諸国への攻撃を予告する場面も収録されていた。専門家は今後、サハラ地域で欧米人を標的にしたさらなる襲撃が起きる可能性を指摘している。