屋外で全裸の移民に消毒液噴霧 イタリア当局に非難集中
ローマ(CNN) イタリア南部ランペドゥーサ島で、移民の男性が公衆の面前で全裸のまま薬品を噴霧されている映像がテレビ放映され、非難が高まっている。
映像は携帯電話で隠し撮りされたもので、イタリア国営テレビRAIで放送された。薬品を噴霧しているのは収容施設の職員で、当局は伝染性の皮膚病である疥癬(かいせん)を予防するための医療措置だったとしている。
収容施設のガリッポ所長は、この映像が「実際に(施設で)行われていることや起きていることを正確に示していない」と指摘。通常なら疥癬予防のための措置は、他人から見られないよう屋内のシャワー室で行われ、移民には清潔な衣服が支給されるという。
だが撮影された日は、並んで待つのに飽きた移民たちが建物に入る前に衣服を脱ぎはじめた。なかには早く終わらせるために屋外で作業を行うよう求める人もいたという。
それでも伊下院のボルドリーニ議長はフェイスブック上で、こうした難民の扱いはイタリアの「品格を落とす」行為で「文明国にはふさわしくない」と非難。責任者を特定・処罰するための対応が行われるだろうと述べた。
欧州委員会のマルムストローム欧州委員(内務担当)は「ぞっとするし、受け入れがたい」と述べるとともに、イタリア政府に対し、問題の全容解明を求めると語った。
イタリア最南端の島であるランペドゥーサ島はアフリカ諸国からの難民にとって欧州連合(EU)への「玄関口」だ。10月には同島沖の地中海で難民が乗った船が沈没し、300人以上が死亡する事故も起きている。