ドネツクのロシア編入、「指導者」が宣言 西側は反発
(CNN) ウクライナ東部のドネツク州で実施された住民投票の結果を受け、親ロシア派が樹立を宣言した「ドネツク人民共和国」の指導者を名乗るデニス・プシリン氏は12日、同州の独立とロシアへの編入が承認されたと宣言した。
親ロシア派のドネツク選管は12日、住民投票でウクライナからの独立を支持する票が90%近くに達したと発表した。プシリン氏は演説で、ロシアへの編入に新たな住民投票は必要ないとの見方を示した。
東部ルガンスク州でも同様の住民投票が実施され、まもなく暫定結果が発表される見通しだ。
ウクライナ暫定政権のトゥルチノフ大統領代行は12日の声明で、「テロリストたちが住民投票と呼ぶあの茶番は、殺人や誘拐、暴力といった犯罪をごまかすための宣伝工作にすぎない」と非難。東部にとって独立はウクライナの経済、社会政策から切り離されることを意味し、「自滅」への一歩になると警告した。
北大西洋条約機構のラスムセン事務総長は同日、CNNとのインタビューで、「違法」な住民投票に「効力はない」と述べ、「混乱した運営やあいまいな設問」を批判。重要なのは25日に予定されるウクライナ大統領選だと強調した。
一方、ロシア政府は住民投票の結果を歓迎し、「ドネツク、ルガンスク両州の住民の意思を尊重し、投票結果が分別ある方法で実現されることを望む」との声明を発表した。
EUは12日、ウクライナ危機を巡る制裁対象に13人の人物とクリミアの企業2社を追加することを決めた。新たな対象の名前や制裁内容は発表されていないが、これまでにロシア政府や軍の幹部、ウクライナの親ロシア派活動家ら48人にが資産凍結や渡航禁止の制裁を受けている。