イラク軍、首都の兵力増強 政治的混乱広がるなか
(CNN) イラクの首都バグダッドで10日、市内に展開する軍の部隊や戦車が大幅に増強された。その理由として武装勢力の脅威や、クーデターの可能性も指摘されている。
イラク警官2人がCNNに語ったところによると、バグダッド中心部の数カ所に戦車が新たに展開している。政府機関や軍の司令部が集中する通称「グリーンゾーン」にも追加の兵力が配置された。増強の理由は明らかでない。
同国北部では最近、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」が攻勢を強めている。専門家らによると、軍はその脅威がバグダッドまで迫っているとの認識に基づき、警戒を強化した可能性がある。
一方では、政治的な混乱を背景にクーデターが起きようとしているとの見方もある。
イラクでは先月末、クルド人のマスーム氏が新大統領に選出され、10日までに新首相候補を指名することになっていた。マスーム大統領がこの期限を延期したことに対し、続投に意欲を示すマリキ首相が「憲法違反だ」と非難するなど、新政権発足への動きは難航している。