NATO、「即応部隊」創設で合意 ウクライナ情勢で危機感
英ウェールズ・ニューポート(CNN) 北大西洋条約機構(NATO)首脳会議は5日、英ニューポートで最終日を迎え、ウクライナ危機やイスラム教過激派が台頭するイラク情勢などを踏まえ、数日間内に該当地域に出動可能な「即応部隊」の創設で合意した。
NATOのラスムセン事務総長が明らかにした。同部隊の規模は、数千人の地上部隊、空海戦力や特殊部隊から成る。司令部や余剰の装備品の保管施設は東欧諸国に置く。
同事務総長は、部隊創設についてNATOが全ての同盟国を常時、防衛するとの決意を示す明確なメッセージであると強調。同時に、潜在的な侵略国をけん制する明快なメッセージにもなると主張した。
ロシアによるウクライナのクリミア半島併合やウクライナ東部での軍事介入の疑惑を受け、ポーランドやバルト海諸国などはロシアに対する警戒心が高まっている。これを受け、今回のNATO首脳会議ではウクライナ問題とイラクなどで勢力を拡大するイスラム過激派への対応策が中心議題となった。
即応部隊の創設合意はポーランドなどに一応の安心感を与えるとみられるが、米政府当局者は、NATOの即応部隊の任務は防衛的な性格を帯び、ロシアを挑発するものではないとも説明した。英国のキャメロン首相は同国は部隊に将兵3500人を派遣する用意があると明かした。