ISISに拉致された女性、数千人が暴行や強姦の被害に
イラク・アルビル(CNN) 19歳のジャナさんは高校の卒業を控え、将来は医師になるのが夢だった。昨年8月、イスラム過激派「イラク・シリア・イスラム国」(ISIS)に村が占拠され、その夢は崩れた。
イラクのクルド人自治区でCNNの取材に応じたジャナさんは、ISISに占拠された少数宗派ヤジディの村に住んでいた。ISISは住民にイスラム教への改宗を迫り、村中の宝飾品や現金、携帯電話を略奪し、男性と女性を引き離したという。
国連の報告書によると、ISISは10歳以上の男性全員を学校に集めてトラックで村の外に連れ出し、射殺した。犠牲者の中にはジャナさんの父と兄もいた。
ジャナさんたち若い女性はバスでモスルに連れて行かれ、大きな3階建ての家に収容された。そこには数百人の女性がいて、ISISの男たちが定期的にやって来ては3~4人の女性を選んで連れ出したという。
英ブリストル大学の研究者でクルド自治政府顧問のナザンド・バギハニ氏によると、女性たちは「家畜のように扱われ」、身体的、性的暴行を受けたり組織的に強姦されたりした。モスルやラッカでは値札を付けて市場で売られた。
バギハニ氏のチームが行った現地調査によれば、ISISに拉致されたヤジディの女性は2500人を超す。ヤジディの活動家は、行方が分からなくなった女性は少なくとも4601人に上ると話している。