サウジ国王訪問で南仏の別荘近くの海岸閉鎖、地元が反発
パリ(CNN) フランス南部の地中海沿岸の町でサウジアラビアのサルマン国王一族の滞在に伴い、別荘近くの一部海岸が立ち入り禁止区域となり、地元住民が反発する騒ぎとなっている。
この町は、カンヌとアンティーブの間にあるバロリス。サルマン国王は問題の海岸の高台に別荘を保持する。
環境保護団体の責任者も務めるバロリス町の議会議員によると、海岸への唯一の公共交通ルートである鉄道の下にあるトンネルにゲートが設けられたという。公有地にゲートを築いた過失だけでなく、別荘と直結するエレベーターを設けるため海岸でコンクリートを使った工事もしたと非難している。
フランス当局は国王の訪問計画は確認していない。しかし、バロリスの行政当局者は国王一族の随行団のメンバーが別荘などで国王や随員500人の到着に備えた準備をしていると指摘した。
サウジ当局は21日の時点で休日のためかコメントを出していない。ただ、当局は国王の個人的な旅行については確認を差し控えるのが通例となっている。
バロリス町が位置するアルプマリティム地方の行政幹部はCNNの取材に、海岸の閉鎖は一時的な治安対策と説明。地元の反発は承知しているが、仏国内で最近起きたテロ事件などを踏まえれば適切な措置と主張している。サルマン国王はテロ攻撃の標的になりかねない人物とも指摘した。
また、サウジアラビア人の訪問は地元の観光業にとっても必要とし、他国の国家元首らが来訪したとしても同様の治安対策を講じると述べた。