ISIS最高指導者、人質の米国人女性を性的虐待か
(CNN) 米政府関係者は15日までに、過激派組織「イラク・シリア・イスラム国」(ISIS)のアブバクル・バグダディ最高指導者が、ISISに人質に取られ2月に死亡した米国人女性ケイラ・ミューラーさんを性的に虐待していたと明らかにした。
ミューラーさんの家族の代理人は14日、CNNの取材に対してこの情報を確認した。家族は米ABCニュースで「ケイラが拷問を受け、バグダディの所有物になっていたことを知らされた。6月に政府から報告を受けた」と述べた。
バグダディ指導者は、ミューラーさんが2013年にシリア北部で拉致された後、ISISのアブ・サヤフ幹部の家に拘束するよう個人的に取りはからった。情報筋によると同指導者はこの後、サヤフ幹部の家を訪れ、ミューラーさんを性的に虐待したという。
サヤフ幹部の家に拘束されていたクルド系少数宗派ヤジディ教の少女2人が、米国政府にその情報を伝えた。
ISISはイスラム教の聖典「コーラン」が非イスラム教徒の成人女性や少女を捕虜とすることを正当化していると主張し、女性らを「財産」として売り飛ばすことや、暴行することも許されるとしている。イラク北部のモスル占領後に配布した「女性奴隷」に関するパンフレットはこの点を明記していた。
バグダディ指導者は依然としてISISのトップに立っているものの、サヤフ幹部は5月、米特殊部隊により殺害された。その妻も米軍に拘束され、今週、公判のためイラクのクルド地域当局に身柄が引き渡された。米ABCテレビによると、妻もミューラーさんの待遇の詳細を確認したという。
家族によると、ミューラーさんは大学卒業後、人権活動家として中東などで活動。13年、シリア北部アレッポで国際医療援助組織「国境なき医師団」の病院を出た後に拉致されていた。