願いは「平和」 トルコの港町に殺到するシリア難民
トルコ西部イズミル(CNN) 欧州に流れ込む難民の急増が混乱を招くなか、トルコ西部の港町イズミルにも隣国シリアからの難民が殺到している。難民らは戦いのない世界を目指し、密航業者のボートで漕ぎ出していく。
イズミルでは8日、リュックを背負った集団がカフェや街角を埋め尽くした。ゴミ袋に救命胴衣を詰め込み、密航業者からの呼び出しを待つ。
呼ばれた人々はバスに乗って海岸へ向かった。ここからボートに乗り込み、エーゲ海を渡ってギリシャの島へ向かう。
町の商店のガラスケースには救命胴衣が並んでいる。床屋の店先にも「救命胴衣あります」の文字。難民の通過が日常化していることがうかがえる。
「目的地はドイツ」と話すのは、妻と2人の子どもを連れた男性だ。シリアの首都ダマスカスを20人の団体で出発し、7日にトルコ入りした。彼らは紛争で町を追われ、土地や店を捨ててダマスカスへ移ったという。だがそこでは水道も電気もなく、いつ検問所でつかまるかとおびえる生活が待っていた。