航空会社は「故障」「人的ミス」を否定 ロシア機墜落
墜落当日の31日、インターネット上には過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」系武装勢力の犯行声明が掲載された。しかしエジプト、ロシア両国の当局者らは、同勢力によるテロの可能性を否定している。
シナイ半島で同勢力と衝突を繰り返してきたエジプト軍によると、同勢力は肩にかつぐタイプの対空砲を保有しているが、その射程距離は約4200メートルにとどまり、墜落機が飛行していた9000メートル以上の上空には遠く及ばないとみられる。
1日にCNNとのインタビューに応じたロシアのペスコフ大統領報道官はテロの可能性を否定せず、「何らかの可能性を排除できる手段は調査だけ」と強調した。
コガリムアビア航空の幹部らも、原因を特定するのは時期尚早だと認めている。ただ、武装勢力が墜落場面と称してネットに公開した映像については、「偽物だと思う」と述べた。
エジプトのシーシ大統領はロシアのプーチン大統領に、ロシアの専門家が調査に最大限参加することを認めると表明した。墜落現場にはロシアのほか、墜落機が製造されたフランス、ドイツからも当局者が派遣されている。
飛行データや操縦室内の音声を記録したブラックボックスは良好な状態で回収されたが、解読は完了していないという。