ミャンマー総選挙 スーチー氏の野党優勢、与党も敗北認める
ミャンマー・ヤンゴン(CNN) 8日に投票が行われたミャンマーの総選挙は、9日までにアウンサンスーチー氏率いる野党、国民民主連盟(NLD)の優勢が鮮明になった。開票結果はまだ一部しか発表されていないものの、ヤンゴンにあるNLDの本部前は同日夜、圧勝を祝う支持者で埋め尽くされている。
NLDの広報は、各地の投票所からの独自集計をもとに、全土で推定80%の票を獲得したと発表した。
一方、軍事政権を率いる与党、連邦団結発展党(USDP)のテーウー党首代行は地元テレビ局の取材に対し、「勝利より敗北の割合の方が多い」と述べて実質的に敗北を認め、自身も落選したことを明らかにした。
ミャンマー・タイムズ紙によると、NLDは早い段階で下院の少なくとも47議席を確保した。ただ、残る数百議席はインフラの不備で遠隔地の開票結果が判明しないため、全容は明らかになっていない。
NLD本部前に集まった支持者の1人は「勝利を確信している。軍政はもう見たくない」と語った。
今回の選挙では、上院の民主枠224議席中168議席、下院では民主枠440議席中325議席がそれぞれ改選される。ただ、上下両院の議席の4分の1は軍人に割り当てられているため、NLDが過半数となるためには上下両院で残る議席の3分の2以上を確保する必要がある。
議席が確定した時点で、議会は大統領を選ぶ作業に着手する。憲法に阻まれて出馬できなかったアウンサンスーチー氏は先週の時点で、もしNLDが勝利すれば、自身は「大統領を超越した」存在になると発言していた。