「昔とは別人」 新ジハーディ・ジョンの妹が語る
コニカさんは非常に落ち着いた女性だが、兄が過激派思想に傾倒した事実は一家に暗い影を落としていたことがうかがえる。
コニカさんは緊張した表情で、慎重に言葉を選びながら話した。自分が知っている兄の別の面を、世界に知らせたい。そう言うと、笑顔でバースデーケーキにナイフを入れる少年の写真を取り出した。
「人当たりが良くておおらかな性格でした。政治などにはあまり関心がなくて」――コニカさんの言葉はそこで途切れた。
青年期にイスラム教に改宗してから、兄は変わり始めたという。母親の作った料理は、イスラム教の戒律に基づく認証を受けていないという理由で口にしなくなり、イスラム過激派の指導者、アンジェム・チョードリー師と交流を持つようになった。
アブ・ルマイサと名乗る人物は14年、英国を出る前に米CBSテレビの番組でワード記者のインタビューに応じていた。自身の家族は母親さえもはや愛することはできないと話し、「母親だから面倒を見る義務は果たす。だが非イスラム教徒を愛することは許されない」などと話していた。