「昔とは別人」 新ジハーディ・ジョンの妹が語る
コニカさんはこのインタビューを見て衝撃と悲しみに襲われたという。「ひとつ分かったのは、兄が自分の人格をすっかり脱ぎ捨ててしまったということ。それが悲しい。とても華やかで独創的な個性の持ち主だったのに、あれはどこへ消えてしまったのでしょう。私たちの何がいけなかったのでしょう」「私の中に罪の意識があります。どうして止められなかったのか。兄が別の人生を求めて出ていかなくてはならないほど、ひどい家族だったのでしょうか」と、コニカさんは問い掛ける。
兄がビデオの男ではないと信じたい、自分の中で、かつて一緒に育った兄とあの殺人者を重ねることはできない。そう語る一方で「ISISに入ってからも何回かは会話したけれど、兄は自分の決断を後悔している様子を全く示さなかった」と振り返る。
兄が今幸せでないことは直感で分かる、とコニカさんは言う。きっと洗脳されているのだ。シリアに長くいればいるほど、それが悪化してしまうのではないか。「家族が兄を愛していること、会えなくて寂しいと思っていること、そして今からでも帰って来られるということを伝えたい」――そう話す唇がゆがむのは、本当に言い切れるだろうかという迷いのせいかもしれない。
「兄を救いたいという気持ちと、自分のペースで悲嘆と向き合っていたいという気持ちが戦っている感じ。私は今、時間をかけて現実を受け止め、折り合いをつけようとしているのだと思う。嘆き悲しむ過程に終わりが来ることは永遠にないでしょう」と、コニカさんは話している。