トランプ氏の入国禁止提案、英議会で審議
ロンドン(CNN) 英議会は18日、米大統領選の共和党指名争いでトップに立つドナルド・トランプ氏の発言を巡り、トランプ氏の英国入国を禁止すべきかどうかについて審議した。
今回の提案は、イスラム教徒の米国への入国を禁止すべきだとしたトランプ氏の発言を受けて英議会に提出された。
審議の中でテュリップ・シディク議員はトランプ氏を「悪意に満ちた有害な人物」と呼び、「その言葉は滑稽でも楽しくもない。その言葉は有害だ。弱い立場に立つ集団の間の緊張をあおる危険がある」と訴えた。
トランプ氏の入国禁止を求める署名運動は、英スコットランド・アバディーンに住むフリーランスジャーナリスト、スザンヌ・ケリー氏の呼びかけで始まった。アバディーンにはトランプ氏の経営するゴルフ場がある。18日までに集まった署名は57万5000を超えた。
ただし議会審議では採決は行われず、確固とした結論も出さない。野党のポール・フリン議員は、もし入国を禁止すれば、トランプ氏が被害者扱いされて同情が集まり、米国での支持を高めることにつながりかねないと指摘した。
英内相はトランプ氏の入国禁止に踏み切る構えは見せていない。キャメロン首相も発言内容は批判しながら入国禁止は支持しない姿勢で、「もし同氏が我が国に来れば、我々は反トランプで結束できるだろう」と話していた。
ただ、英国民を対象に実施された12月の世論調査では、25~30%がイスラム教徒の入国禁止を唱えるトランプ氏の提案に支持を表明している。