シリア大統領、敵対勢力の新政府参加を容認か
(CNN) シリアのアサド大統領は31日までに、和平後の新政府について、現政権の支持勢力のほか、国内の反対派の参加もありうるとの見方を示した。ロシアの国営スプートニク通信が伝えた。
アサド大統領はスイスのジュネーブで断続的に続く和平協議を「政府の構成に関する合意形成を行うシリア国内の対話だ」と位置付けた上で、「反体制派や政権支持派、第3の勢力が代表を送り込むことは理にかなっている」と述べ、自らの支持勢力以外にも政権参加を認める意向を示した。ただし新政府樹立に向けた話し合いは「まだ合意には至っていない」という。
大統領は反体制派が求めている自らの辞任については触れなかった。ただ、これまでは一貫して拒否する姿勢を見せている。
一方、反体制派を支援している諸外国に対しては厳しい言葉を浴びせ、トルコやサウジアラビア、フランス、英国がテロを「直接支援している」と非難した。これまでアサド政権は反体制派をテロリストと位置付けている。
またアサド大統領は、「再建プロセスの柱となるのは、この危機の間にシリアを支えてきた主要3カ国になるだろう。つまりロシア、中国、イランだ」とも述べた。
国連によれば、2011年に始まったシリアの内戦では25万人以上が死亡し、100万人以上が負傷。家や故郷を追われた人は数百万人に上るという。
先月発効した米ロ主導で停戦合意は一部地域で守られているが、すぐに破られた地域もある。ロシアはシリアからの軍の撤退を表明している。