米軍、シナイ半島北部基地からの撤退を検討 ISISの脅威増大で
ワシントン(CNN) エジプトのシナイ半島で過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」など武装集団の脅威が増大したことを受け、米軍が同半島北部にある基地からの撤退を検討していることが、CNNの取材で明らかになった。現在、米軍や多国籍軍の一部をシナイ半島の南部に移動させる可能性について、エジプトやイスラエルと協議している。
シナイ半島には1979年に締結された和平協定の履行を監視するため多国籍監視軍が駐留しており、米軍は現在約700人を派遣している。
現時点でエジプトもイスラエルも協議について公にはコメントしていない。和平条約の内容に重大な変更がある場合、調印したすべての国の承認を得る必要がある。
米国防当局者は、イスラエルと国境を接するシナイ半島北東部ではISISを含む武装集団の脅威が増す一方だと指摘した。ただし米政府は、もし調印国の承認を得て部隊を移動させた場合でも履行監視を続けることは可能だと強調。ISISの脅威を目の当たりにして米軍が後退するわけではないと主張している。