イラク陸軍第15歩兵師団がそれ以来、最初にニナワ州に戻る部隊だ。部隊の要員の大半は同州の出身。有志連合に認められて再訓練を受け、新たな指揮系統の下にある。
これまでの前進は成功とされるが、奪還した陣地は少なく、こうした地域への支配力も脆弱(ぜいじゃく)だ。イラク軍の決意は常に試されている。敢然と戦うのか、それとも再び逃亡してしまうのか。鍵となるのは米国の支援だ。
モスル出身でニナワ州での作戦の司令官を務めるナジム・ジョボリ少将は「米国や有志連合からもっと多くの支援がほしい」と話す。米軍の空爆支援や軍事顧問、兵たん面での助けが最重要だとし、「今のところ、米国の地上部隊が緊急に必要とされる状況ではない。われわれの力で自分たちの土地を解放できる」と話す。
取材班はハラバルダンの村に到着した。ISISは夜間に村の周辺部の民家に忍び込み、自爆要員や戦闘員十数人を使った攻撃を仕掛けていた。イラク軍はこれに対し、有志連合の空爆を要請。空爆により民家は壊滅し、戦況はイラク軍有利に傾いた。