中国の「グアム・キラー」、域内の安定に脅威 米報告書
(CNN) 米連邦議会の委員会は14日までに、中国が昨年9月の軍事パレードで初公開した中距離弾道ミサイルDF26が環太平洋地域の安定性を揺さぶり、域内の米軍基地などに脅威を及ぼしている現状を警告する報告書をまとめた。
報告書は米中経済安全保障検討委員会が作成したもので、「グアム・キラー」とも称される同ミサイルは米領グアム島を射程内にとらえる前例のない攻撃能力を中国に許容していると指摘。同ミサイルは中国が過去数十年間進めてきた通常の弾道ミサイル戦力の開発の成果とも主張した。
中国の現段階の誘導技術の脅威は低水準にとどまっているとしながらも、打撃能力の改善努力は続けられており、将来的にそのリスクは高まるとも警告した。
同委は2000年に創設されたもので、米中間の懸案問題などに関する年間報告書を毎年議会に提出。議会は報告書の助言内容などを受け対応策の立法措置などを講じている。
米国はグアム島にアンダーセン空軍基地やアプラ海軍基地を保持し、兵士ら約6000人を駐留させている。北朝鮮や中国から比較的遠い地点から戦力を環太平洋に展開し得る重要戦略拠点と位置付けている。
同空軍基地にはB1、B2やB52などの爆撃機や最新型戦闘機が交互に派遣され、同海軍基地は攻撃型潜水艦4隻の母港で、他の艦船の補給拠点ともなっている。