エジプト機墜落 トイレや電子機器に発煙の痕跡
(CNN) 5月に起きたエジプト航空804便(エアバスA320型機)の墜落で、フライトデータレコーダーを解析していたエジプト民間航空省は29日、墜落前に同機のトイレや電子機器で煙が発生していた可能性があると発表した。
機体の残骸を調べた結果、前部で高熱によって損傷した痕跡やすす状になった部分も見つかった。
同機は5月19日、乗員乗客66人を乗せて地中海に墜落した。これまで原因は不明だったが、これで究明に一歩近づいた。航空専門家のリチャード・クエスト氏は「機上で何らかの発煙や火災があったことが確認された」と解説する。
当該のフライトデータレコーダーは、一度フランスで修復作業を受けた後エジプトに送り返され、解析が行われていた。
民間航空省によれば、レコーダーに記録されていたデータは、航空機と地上との間で通信を行うACARSの情報とも一致していた。ACARSでも「トイレの煙と航空電子機器の煙」が記録されていたという。
同省ではさらに分析を進めて発煙元や理由を調べる方針。クエスト氏は、機体の残骸を調べれば爆弾が使われたのか火災だったのかが分かるだろうと指摘した。
一方、操縦室の音声を記録したボイスレコーダーはメモリーチップが損傷していたため、フランス航空事故調査局(BEA)が修復を試みている。
地中海の墜落現場では、今も残骸や犠牲者の遺体の回収作業が続けられている。