欧州の難民申請、過去最高の130万人に ソ連崩壊時抜く
(CNN) 欧州各国に2015年に提出された難民認定の申請数が、ソ連崩壊後の1992年を上回って過去最高の130万人に達したことが4日までに分かった。世論調査機関のピュー・リサーチ・センターが欧州連合(EU)統計局の統計を分析して明らかにした。
難民認定申請者の半数は、シリアとアフガニスタン、イラクの出身だった。性別は男性が約73%を占め、全体の42%は18~34歳の男性だった。
難民の多くはドイツを目指しているが、メルケル首相は、難民に対する門戸開放政策を巡って国内で批判にさらされている。この数週間で相次いだ無差別殺傷事件のうち3件については、イスラム過激派に感化された難民や難民認定申請者が引き起こしたと当局が発表していた。
EU加盟国のうち10カ国でピューが実施した世論調査では、EUの難民問題への対応を支持しないという回答がギリシャで94%、スウェーデンで88%、イタリアで77%に上った。
回答者の約半数は、難民の流入によって「自分の国でテロが起きる危険が高まる」と認識。難民に職を奪われることや、社会福祉による経済的負担が増すことにも警戒感を強めている。
難民たちは危険を冒し、粗末な船で地中海を渡って欧州を目指す。今年5月の国連の統計では、航海の途中で船が転覆するなどして死亡した難民は、今年に入って2500人を超えた。