妻の不妊なじり両手切断、夫を逮捕 ケニア
ケニア・ナイロビ(CNN) アフリカ東部ケニアの警察は4日までに、結婚から7年たっても妻が妊娠しないことに怒り、なたで両手を切り落とすなどした夫を逮捕したことを明らかにした。
妻は頭部も負傷し、左耳の聴力に障害が出る被害も受けた。地元警察などによると、事件は先月23日、2人の自宅で発生。妻の父親はCNNの取材に、夫はなたで妻を襲う前、「口を一生閉じていろ」とも脅していたという。
妻の不妊をなじっての凶行だが、ケニア地元紙デーリー・ネーションは首都ナイロビの病院の説明として妻の体には出産能力があり、夫の性的機能に問題があったと診断されたと報じた。
夫は犯行当日の夜、行方を絶っていたが、翌日に妻が搬送された病院に現れところ逮捕されていた。
妻はナイロビ近くにある母親の家に移り、症状は回復しているという。ケニア駐在のバングラデシュ大使館は事件を受け、被害者に少なくとも3カ月間治療薬を贈ることを約束した。また、ケニア議会の女性議員や女性の権利擁護の活動家らは義手の贈呈、月間の金銭援助、回復後の生活再建に備えた技術習得への支援などを申し出た。
今回の事件はケニアの社会に衝撃を与え、政界や市民らの間で夫を非難する声が広がった。女性差別の暴力根絶運動を主導する女性議員は「今回のような犯行が現代において起きることが悲劇」と指摘。「子どもの誕生は男女の責任の分担を意味する。子どもがいない女性もあくまで女性であり、一層強くもなる」と強調した。