米政府、ロシアとのシリア停戦協議を停止
当局者らによると、米国とロシアは不慮の事故などを防ぐため、従来通り軍同士の直接ルートを通して連絡を取り続ける。多国間協議の場でロシアとシリア情勢について話し合うこともあり得るという。
一方でロシアは3日、米国との間で双方が核爆弾数千個分に相当する34トンのプルトニウムを処分するとしていた合意を停止すると発表した。
ロシア国営タス通信は、米国の「非友好的な行動」が理由だと伝えた。ラブロフ外相はロシア外務省のウェブサイトに載せた声明で、この決定はロシアを見下した米国の態度に対する合図だと述べた。
ロシア側の決定は米国がシリアに関する協議停止を決めたことに関係しているのかという質問に対し、米国務省報道官は「関係は全くないと思う」「無関係な問題でこの重要な合意が押しのけられるとしたら残念なことだ」と述べた。
ロシア外務省の報道官は米国が協議停止を発表したことに遺憾の意を表明した。また国営スプートニク通信によると、ロシア議会上院外交委員会のコサチェフ委員長は「ロシアは最後まで対話の継続に努めた」と強調して米国側を非難。さらに、この決定は米大統領選へ向けた選挙戦の影響を受けていると主張した。
国連のデミストゥラ・シリア担当特使は、米国とロシアの協議が「前向きの結果に至らなかった」ことに「深い遺憾」の意を表したうえで、「国連はシリア紛争の政治的解決に向け、精力的な努力を続ける」と強調した。