米中軍が異例の合同訓練、災害救助で交流深める
中国・昆明(CNN) 中国南西部の雲南省昆明でこのほど、米陸軍と中国人民解放軍が災害救助活動の合同訓練を実施した。南シナ海への中国進出など多くの問題を巡って対立を深める両国だが、今回の合同訓練は世界の2大軍事大国が互いに協力し合う希少な機会となった。
合同訓練は両国軍の交流の一環として数日にわたって行われ、兵士約200人が参加。災害現場の捜索や負傷者の搬送などさまざまな場面を想定した訓練を実施した。
米陸軍幹部はCNNの取材に対し、「陸軍の若手兵士と中国人民解放軍の若手兵士が一緒になって互いに理解を深め、絆を作り出す好機」になったと説明する。参加した兵士が集まって笑顔で写真に納まる場面もあった。
対中政策を巡って次期米大統領ドナルド・トランプ氏の政権には、南シナ海の問題やサイバー攻撃、韓国への米軍ミサイル防衛システム配備など多くの課題がのしかかる。
トランプ氏は選挙運動中、経済面で中国との対立姿勢を鮮明にする一方で、軍事問題についてはほとんど言及を避けていた。
ロバート・ブラウン米太平洋陸軍司令官はトランプ政権の対中政策について、「多くの関係を構築するほど信頼につながる」と指摘。「そうすれば、違いがあってもそうした違いについて論議し、話し合うことができる」と助言している。