印女性キャスター、事故報道で夫の死伝える 動揺見せず
(CNN) インドのテレビ局の報道番組でこのほど、死亡事故のニュースを伝えた女性キャスターが死者の中に自分の夫がいると知った瞬間も動揺を見せずに報道を続ける出来事があった。関係者がその強さに敬意を表している。
SUV(スポーツ用多目的車)とトラックが衝突して3人が死亡したというニュースは8日午前、民放局IBC24のキャスター、スプリート・カウアさんが司会を務める報道番組に飛び込んできた。
電話で事故の状況を伝える記者の話を聞いていたカウアさんは、死者の1人は夫だったかもしれないと直感する。夫は事故が起きた現場で、同じ型の車に乗っていたはずだった。
しかしカウアさんは動揺を見せることなく、事故車両の映像や被害者のぼやけた写真が画面に映し出されても、淡々とニュースを伝え続けた。
カウアさんはIBC24勤続9年のベテランキャスター。番組終了後、スタジオから報道編集室に戻り、夫の死亡が確認されたと告げられて泣き崩れた。カウアさんと夫のハーシャド・カワデさんは1年半ほど前に結婚したばかりだった。
IBC24はインド中部チャッティスガル州とマディヤプラデシュ州で24時間ニュース番組を伝えている民間放送局。本社のあるチャッティスガル州のシン州首相はツイッターに「並外れた果敢さとプロ意識で夫の死と向き合ったスプリートさんの強さに敬意を表する」と投稿し、哀悼の意を表した。