アンカラ(CNN) トルコのエルドアン大統領は18日、国民投票で大統領権限を大幅に強化する憲法改正が承認されたからといって、自身が「独裁者」になるわけではないと主張した。首都アンカラの大統領府で行われたCNNの単独インタビューに答えた。16日の国民投票以降、エルドアン氏がインタビューに応じたのは初めて。
エルドアン氏は「私自身はいつ死ぬか分からない」と述べ、憲法改正は民主主義体制を改革するのが目的だと主張。同氏が権力欲から独裁政治をめざしているとの説を否定した。
また「独裁制のある所に大統領制は必要ない」「我が国には投票箱がある。民主主義の力の源は国民だ。これを国民の意思と呼ぶ」と強調した。
国民投票の結果が小差だったことについては「勝利は勝利だ」と断言。「私はサッカーの経験がある。サッカーでは1対0で勝っても5対0で勝っても関係ない。試合に勝つことが最終目標だ」と語った。
欧州連合(EU)加盟に向けた長年の交渉をめぐっては「54年もの間、入り口で待たされ続けてきた」と不満を示し、「我が国はEUの要求を全て受け入れようとがんばってきたのに、EUは約束を守っていない」と非難した。
国民投票の結果を受け、欧州首脳らが懸念を示しているのとは対照的に、米国のトランプ大統領はエルドアン氏に電話で祝意を伝えた。同氏はこれを歓迎し、「今後は直接会談の場を持って関係を深めることができればさらに良い」と述べた。
テロ対策をめぐる米国との協力関係についてどう思うかとの質問には、トランプ氏がトルコを同盟国として扱う姿勢は喜ばしいと答え、「多くの問題が解決できるだろう。その面で何も問題はない」と述べた。