トランプ政権、イラン核合意を再び非難 政治的ポーズの声も
ワシントン(CNN) ティラーソン米国務長官は19日、イランの核開発計画を抑制する目的で結ばれた核合意について、「イランのさまざまな深刻な脅威を完全に無視」したものだとの認識を示した。
また長官はイランについて「テロと暴力を輸出し、1度に複数の国家の存続を危うくしかねない警戒すべき挑発」を行っていると語ったほか、もしイランを野放しにすれば「北朝鮮と同じ道をたどる可能性がある」とも述べた。
トランプ政権はイランに断固たる対応を取る用意があると警告し、核合意を見直す可能性もちらつかせたわけだが、外交官やアナリストは、米国が核合意から手を引くことはないと考えている。
こうした厳しい発言は、北朝鮮のような「ならず者国家」への警告であるとともに、核合意を「身の毛もよだつ合意」だと非難した大統領選挙中の発言との整合性を取るための、政治的ポーズだというのが専門家の見方だ。
「合意に対する解釈を米国が変えようとしているとは思わない」とある西側外交官は言う。
実際、ティラーソン長官は18日には、議会でイランは核合意を履行していると証言していた。
一方で米政府関係者らは、米国はさらに厳密に核合意の条件をイランに履行させるとともに、中東におけるイランの活動に対する制裁を強化する方法を模索していると語る。問題視されているのはイエメンのイスラム教シーア派の反政府武装組織フーシや、シリアのアサド政権、レバノンのイスラム武装組織ヒズボラへの支援だ。