家出してISISに加入、ドイツの少女をイラクで発見
(CNN) ドイツ東部ドレスデン近郊の小さな町から昨年夏に家出し、過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」に参加していた少女が、ISISから解放されたイラク北部モスルの市内で見つかったことが26日までに分かった。ドイツ政府が確認した。
イラク軍の情報筋によると、モスル旧市街を捜索していた部隊が少なくとも5人の外国人女性を発見。この中にドイツ人のリンダ・ウェンツェルさん(16)がいた。女性たちは首都バグダッドへ移送され、事情聴取を受けているという。
ドイツ外務省は、拘束された女性のうち2人はドイツ人で、その一方がウェンツェルさんだったと発表した。
ドレスデンの検察官はCNNに、「ウィンツェルさんの健康状態は良好とされるが精神状態は分からない」と語った。イラクで裁判にかけられる可能性があり、帰国するかどうかも不明だが、ISISへの参加が立証された場合はドイツ連邦検察へ送られることになるという。
ウェンツェルさんは昨年7月に失踪した。ISISに参加するために家出した可能性があるとしてドレスデンの検察が調べ始めたものの、行方が分からないまま捜査は打ち切られていた。検察は25日中にも、テロ支援罪などで捜査を再開する構えだ。
ウェンツェルさんが見つかってから、南ドイツ新聞などによる調査報道チームのメンバーでイラク人のアミル・ムサウィ氏が先週、ジャーナリストとして初めて本人と面会していた。
同氏がCNNに語ったところによると、ウェンツェルさんは脚を撃たれて負傷していたが、質問には答えられる状態だった。自分がどうなって何をしたのか、十分には理解できていない様子だったという。
同紙に掲載された記事によると、ウェンツェルさんは「とにかくここから出たい」「戦争やたくさんの武器や騒音から離れたい」と話し、捜査に協力する姿勢を示している。