カタルーニャ州の自治権停止へ、スペイン政府が憲法条項発動
(CNN) スペイン北東部カタルーニャ自治州が独立を宣言する構えを見せている問題で、スペインのラホイ首相は19日、中央政府がカタルーニャ州の自治権を停止することを認める憲法155条を発動すると発表した。155条が発動されれば同国史上、初めてとなる。
ラホイ首相は21日に閣議を召集し、カタルーニャ州の「憲法秩序回復」に向けた措置について了承を得たうえで、上院に提出する。上院は与党・国民党が多数を占めており、計画は承認される見通し。
首相声明では、憲法155条に基づいて発動する具体的な措置は明らかにしていない。しかし憲法ではスペイン政府がカタルーニャ州機関の運営を引き継ぎ、強制的に新たな選挙を実施する権限を認めている。過去に155条が発動された前例はない。
この発表の直前、カタルーニャ州のプッチダモン首相は、スペイン政府が対話に応じない場合は正式に独立を宣言する可能性があると発言していた。
プッチダモン首相はまた、カタルーニャ独立運動の指導者に対する「抑圧」をやめるよう、スペイン政府に要求した。独立運動の指導者2人は扇動の容疑で数日前に拘束されている。
ラホイ首相は欧州委員会(EU)首脳会議に出席するため19日にブリュッセルを訪問した。EU首脳は、カタルーニャ州の独立に反対するスペイン政府の立場を支持している。