ジンバブエ与党、ムガベ氏に辞任を要求 国営地元紙
ジンバブエ・ハラレ(CNN) アフリカ南部ジンバブエでムガベ大統領が自宅軟禁されるなどして軍が実権を掌握した件に関連し、国営紙ヘラルドは17日、与党ジンバブエ・アフリカ民族同盟愛国戦線(ZANU―PF)がムガベ氏に対して辞任を要求したと伝えた。自宅軟禁下にあるムガベ氏は同日朝、ジンバブエが政治的危機に陥って以来初めて公の場に姿を現していた。
同紙によれば、ZANU―PFの地方支部は国内全10地域で会談を行い、党トップであるムガベ大統領の辞任を求めた。また、ムガベ氏の妻であるグレース氏の離党も要求したという。
自宅軟禁下にあるムガベ氏は同日朝、首都ハラレで行われた大学の卒業式典に出席した。周到に演出された形で公の場に姿を現したのとは裏腹に、現実にはムガベ氏は自らが37年間にわたり統治してきたジンバブエをもはや掌握できていない模様だ。
ムガベ氏は青と黄色のガウンに身をまとい、警護隊に付き添われて大学に到着。ムガベ氏が公の場に姿を現すのは、軍が15日に実権を掌握するなかで身柄を拘束されて以降初めてだった。
ムガベ氏が姿を現した背景には、物事が通常通りに進行しているという雰囲気を伝えたい軍などの狙いがあったとみられる。ハラレの実権を掌握する将官らは、自分たちが憲法違反のクーデターを組織しているとの印象を与えないよう細心の注意を払っている。
ただ水面下では、ムガベ氏を退陣させようとする試みは頓挫しつつあるようだった。
ムガベ氏をめぐっては、自身を退陣させる計画に抵抗していることが報じられた一方、将官らの側では静かに身を引くことを拒むムガベ氏の姿勢にいら立ちを募らせているとの見方もある。