イランで異例の反政府デモ、ハメネイ師にも矛先 市民に銃撃の情報
(CNN) イランで異例の反政府デモが各地に広がっている。情報筋によれば、西部ロレスタン州ドルードでは30日遅く、複数の市民が抗議活動中に撃たれた。イラン政府はデモが28、29両日に多くの都市に波及したことを受け、公の場での「違法な」集会を行わないよう警告していた。
現地の情報筋はCNNの取材に、ドルードでのデモ中に暴徒化した群衆が行政庁舎に押しかけ、火を放つのを家族が見たと説明。デモ隊に対し発砲が行われ、5人が撃たれたと明らかにした。
一連のデモは、食料品価格やガソリン価格の高騰を背景に発生。2009年の「緑の運動」以来、イラン国内における最大の不満の表出とされている。
ソーシャルメディア上の動画には、デモ参加者の一部が最高指導者のハメネイ師に怒りの矛先を向ける様子も映っている。ハメネイ師に対し公の場で不満が表明されるのは異例。CNNではこうした映像の信ぴょう性を独自に確認できていない。
CNNの編集者は、「ハメネイ師の写真が道路脇の看板から破り取られるのを目撃した」と言及。異例の出来事だと指摘したうえで、「政権は非常に深刻に受け止めるだろう」との見方を示した。
一連のデモは北東部マシュハドで28日に始まり、他の都市に広がっていった。国営イラン通信(IRNA)がジャハンギリ第1副大統領の話として伝えたところによると、デモは首都テヘランや西部ケルマンシャー、アラクなどの都市にも波及している。同国の複数のメディアは多数の逮捕者が出ていると伝えた。