メルケル独首相、4期目へ 社会民主党が大連立を承認
(CNN) ドイツの第2党、社会民主党(SPD)は4日、党員投票を実施し、メルケル首相が率いるキリスト教民主・社会同盟(同盟)との大連立について承認した。これにより、メルケル首相の4期目に道が開かれた形だ。ドイツでは昨年9月に総選挙が行われたが、過半数を確保した政党が出ず、第1党となった同盟による連立協議は難航していた。
今回のSPDによる投票は46万人超の党員が対象で、賛成は66%、反対は34%だった。月内にも連立政権が誕生する見通し。
メルケル氏が首相に就任したのは2005年。4期目を全うした場合、在任期間は16年におよぶが、これはこれまでで最長のコール首相の在位期間と並ぶ。
昨年の総選挙では、同盟がたやすく勝利を収めるとみられていた。しかし、実際は同盟とSPDの2大政党が大きく議席を減らす一方で、右翼の新興政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が約13%の得票を得て躍進するなどした。
メルケル氏は過去12年間、「ムティ(お母さん)」としてドイツを率いてきた。メルケル氏のリーダーシップの下、キリスト教民主同盟(CDU)は、外国人排斥を唱える極右とは協力しない寛大な保守主義の欧州での象徴とみられてきた。
メルケル氏が掲げる寛容な移民政策を受け、ドイツには2015年に100万人を超える難民が流入。移民や統合に関する議論が国内で巻き起こった。その後、メルケル氏はドイツが受け入れる移民の数について上限を設けることを発表。受け入れ人数に上限を設けることを拒んでいたそれまでの方針を大きく転換した。