激痛で通報の女性死亡、「人間はいずれ死ぬ」の返答に物議 仏
(CNN) フランス北東部ストラスブール市で深刻な病状を緊急事態対応当局に電話で訴えた22歳女性が「人間は誰もがいずれ死ぬ」などのむごい返答を受けた交信記録が表面化し、司法当局などが調査に乗り出す騒ぎがこのほど起きた。
女性は電話した数時間後に死亡していた。電話は昨年12月29日にかけていたもので長さは3分。女性は腹部の強い痛みのため症状の詳細を説明出来ず、「助けて」「死ぬかも」など悲痛な訴えを繰り返していた。
これに対し電話を受けた担当者は「今の状態を話せないのなら電話を切る」「助けられない」などと応答。「救急医療サービスに電話して」とも突き放し、電話番号を2度教えていたという。
女性はこの後、電話を切っていた。女性の家族の弁護士によると、その後、親類の連絡を受けた医師が来宅して女性を病院に搬送。地元のCNN系列局BFMTVによると、病院に到着直後、心臓発作を2度起こし、集中治療室に運ばれたが死亡したという。
ストラスブールの司法当局によると、詳しい死因は不明だが初期段階の検視では複数の臓器の機能不全や大量出血の兆候が見られたという。
弁護士は記者団に、女性は無関心もしくは冷淡な扱いしか受けなかったと批判した。
緊急事態対応当局の職員労組の責任者はCNNの取材に、女性に対応した担当者は暫定的な職務停止処分を受けたと説明。その上で、職場が人員不足に陥っている現状に理解を求めた。
一方、同国のアニエス・ビュザン保健相はBFMTVに、電話受け付けセンターの職員がさらされているストレスの度合いや電話の件数などを確認したいと説明。組織的な機能不全などがあったのかどうかを見極める材料になると述べた。