ホーキング氏の肉声を宇宙に発信、音楽に乗せブラックホールへ
(CNN) 15日に営まれる英物理学者、故スティーブン・ホーキング博士の追悼式に合わせ、地球から3500光年離れたブラックホールへ向けて、ホーキング氏の肉声が宇宙空間に流される。
ブラックホール研究で知られるホーキング氏は、今年3月に76歳で死去した。15日の追悼式は英ウェストミンスター寺院で営まれ、ホーキング氏の遺骨はチャールズ・ダーウィンの墓とアイザック・ニュートンの墓の間に埋葬される。
これに合わせて欧州宇宙機関(ESA)はスペインの巨大アンテナ「セブレロス」を使い、音楽に乗せたホーキング氏の肉声をブラックホールに向けて流す。
ホーキング氏の声を乗せるオリジナルの楽曲は、映画「炎のランナー」のテーマ曲で知られるギリシャの作曲家バンゲリスが手がけ、平和と希望のメッセージが託されている。
ESAによると、楽曲は6分半ほどの長さで、中盤にホーキング氏の音声が流れるという。
この楽曲は追悼式でも流れる予定で、参列者には全員にCDを配布する。いずれ一般にも公開を予定している。
追悼式には遺族やBBCのテレビ映画でホーキング氏を演じた俳優のベネディクト・カンバーバッチ氏のほかに、一般から抽選で選ばれた1000人が参列する。抽選には2万5000人の応募があった。
ホーキング氏の声を届けるブラックホールは、地球から最も近い距離にあり、最も有名なブラックホールの1つだという。ESAの専門家によると、このブラックホールもいずれ、ホーキング氏が提唱した「ホーキング放射」と呼ばれる現象により、何十億年もかけて蒸発する。