海上で足止めの移民600人超、スペインに到着 伊は入港拒否
スペイン・バレンシア(CNN) 約630人の移民を救助したもののイタリアに受け入れを拒まれ、1週間以上にわたって海上で足止めされていた船が17日、スペイン・バレンシアの港に入港した。
約630人の移民はリビア沖で1週間ほど前に、国際医療支援団体の国境なき医師団(MSF)と、慈善団体SOSメディテラネが運航する「アクアリウス号」に救助された。乗船者には少なくとも100人の未成年と妊婦7人が含まれる。
同船はイタリアへの入港を拒まれ、マルタ島とイタリアのシチリア島の間の海域で足止めされていたが、その後スペインが受け入れを表明していた。
乗船者の一部はイタリア沿岸警備隊の船2隻に分乗して定員オーバー状態を解消し、3隻は約1300キロ離れたバレンシアへ向かった。
17日午前には、イタリア沿岸警備隊の「ダティロ号」に乗った274人がバレンシアの港に到着。続いてアクアリウス号が入港し、正午ごろには3隻目も到着した。
スペイン赤十字は、ダティロ号に乗船していた男性28人と妊婦1人、付き添いのいない子ども3人に面会したほか、車椅子を必要とする人も5人いると伝えている。応急処置用の医薬品や食料、水なども配られた。
地元当局によると、現地では通訳400人と赤十字のボランティア1000人、警察官600人が対応に当たっている。
SOSメディテラネは、スペインの海岸を目にして歌ったり踊ったりして喜ぶアクアリウス号の乗船者の動画をツイッターに掲載し、「長い疲れ果てた旅が終わる」と伝えた。
フランスは駐スペイン大使を通じ、移民の一部を受け入れると表明している。