総選挙当日に爆発、死者31人 パキスタン
イスラマバード(CNN) パキスタンが総選挙の投票日を迎えた25日、同国南西部バルチスタン州の州都クエッタ近郊で爆発があり、少なくとも31人が死亡、30人以上が負傷した。
地元警察責任者によると爆発の原因は不明とされるが、過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」が犯行声明を出した。
北西部カイバル・パクトゥンクワ州では投票所の前で、元クリケット選手のイムラン・カーン氏が率いる「正義運動(PTI)」と「アワミ民族党(ANP)」の支持者が衝突し、1人が死亡、3人が負傷した。
選挙では、シャリフ元首相が汚職で有罪となり打撃を受けている与党「イスラム教徒連盟シャリフ派(PMLーN)」とPTIが接戦を展開している。
選挙前にバルチスタン州で候補者を狙ったテロが発生し、150人が死亡した事件などを受け、投票は厳戒態勢の下で始まった。軍は「公正で自由な選挙」のために兵士ら37万人以上を出動させると表明し、警察は総勢80万人が治安確保に当たると発表した。
投票は現地時間の午後6時(日本時間午後10時)に締め切られ、即日開票される。午後11時頃から大勢が判明する見通しだ。
PMLーNと対立関係にある軍はカーン氏を支持しているとされ、メディアの締め付けなどを通して影響力を強めてきた。一方、カーン氏は軍による支持を繰り返し否定し、汚職の追及や「新しいパキスタン」の標語で人気を集めている。
PMLーNが大票田の本拠地、東部パンジャブ州を守り切れるかどうかに注目が集まっている。